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こどもデータ連携とは?3分でわかる国の考え方

資料を読み解く 公開 2026年10月31日 読む時間の目安 3分 KDRラボ

この記事のポイント

  • こどもデータ連携は、部局ごとに分かれたこどもの情報をつなぎ、支援が必要な可能性のあるこどもに早く気づいて、プッシュ型・アウトリーチ型の支援につなげる取組です。
  • 子供の貧困対策から始まった内閣府の調査研究、デジタル庁の実証事業を経て、令和7年3月にこども家庭庁がガイドラインをまとめました。
  • 目的はこどもの最善の利益で、業務の効率化ではありません。データだけで何かを断定せず、人の目で確かめて支援につなげます。

ひとことで言うと

こどもデータ連携は、自治体の中で部局ごとに分かれて持っているこどもの情報をつなぎ、困りごとを抱えているかもしれないこどもや家庭に早く気づいて、支援につなげるための取組です。

健診の記録は保健の部局、出席の状況は教育委員会、手当の手続きは福祉の部局、というように、こどもの情報はふだん別々に管理されています。いくつかの情報を合わせて見ることで、ひとつの部局だけでは気づきにくい困りごとに気づける場合があります。

なぜ、国が進めているのか

貧困や虐待、不登校、いじめなどの困難を抱えるこどもは、その状況が外から見えにくく、こども自身や家庭から「助けて」と声を上げることも簡単ではありません。

そこで国は、こどもや家庭からの相談(SOS)を待つのではなく、自治体の側から支援を届ける「プッシュ型・アウトリーチ型」の支援を進めています。こどもデータ連携は、そのきっかけをつくる取組の一つです。

この考え方は、次のような国の方針に位置づけられています。

  • こども大綱(令和5年12月閣議決定): 福祉・保健・教育などの情報を分野を越えて連携させ、潜在的に支援が必要なこども・若者や家庭を早期に把握し、SOSを待つことなく支援を届ける取組を推進するとしています。
  • デジタル社会の実現に向けた重点計画: 実証事業で課題を整理し、自治体がこどもデータ連携に取り組むためのガイドラインを2024年度末までに策定するとしていました。

これまでの歩み

こどもデータ連携の検討は、子供の貧困対策から始まりました。

時期 主な動き
令和元年11月 「子供の貧困対策に関する大綱」で、市町村が福祉や教育の情報を活用し、支援を要する子供を広く把握する方針が示される
令和3年4月 内閣府が、文部科学省・厚生労働省と連携して「貧困状態の子供の支援のための教育・福祉等データ連携・活用に向けた調査研究」を始める
令和3年11月 デジタル庁を中心に、内閣府・厚生労働省・文部科学省の副大臣による「こどもに関する情報・データ連携 副大臣プロジェクトチーム」が始まる
令和4年 デジタル庁が、こどもに関するデータ連携の実証事業を始める
令和5年4月 こども家庭庁が、こどもデータ連携の実証事業を始める
令和6年3月 こども家庭庁が、ガイドラインの素案を公表する
令和6年5月 こども家庭庁が、素案の意見募集(パブリック・コメント)を行う
令和7年3月 こども家庭庁が「こどもデータ連携ガイドライン」をまとめる

内閣府の調査研究では、すでにデータの連携に取り組んでいた自治体(箕面市、柏市、府中町〈広島県〉、戸田市、つくば市)の事例を調べ、どのような情報を使い、どう支援につなげるかが話し合われました。

その後、検討の対象は貧困の状態にあるこどもに限らず、困難な状況にあるこども全体へと広がり、デジタル庁の実証事業、こども家庭庁のガイドラインへと引き継がれていきました。

大事にしたい3つの考え方

ガイドラインを読むと、次の3つが繰り返し強調されています。

  1. 目的は、こどもの最善の利益: 業務の改善や効率化を狙いとするものではない、とはっきり書かれています。
  2. データで断定しない: データから出てくるのは「気づき」です。データだけで、こどもや家庭の状況を決めつけることはしません。
  3. 人の目で確かめ、支援につなげる: データで気づいた後は、担当者が状況を確かめ、必要な支援につなげます。この「支援への接続」までを含めて、ひとつの取組です。

また、ガイドラインは、システムを作ることはデータをつなぐ手段の一つであり、必ずしもシステムの開発が必要なわけではない、とも述べています。

自治体の担当者にとってのポイント

  • まずは、自治体のこども支援の政策目的を確かめ、その目的を達成する手段の一つとして、こどもデータ連携を考えましょう。
  • 「データで判定して終わり」ではなく、「人の目で確かめ、支援につなげる」までの流れと体制を、最初から一緒に考えることが大切です。
  • 詳しい進め方は、こども家庭庁のこどもデータ連携ガイドラインが出発点になります。

出典・参考資料

  1. こども家庭庁「こどもデータ連携ガイドライン」(令和7年3月)
  2. こども家庭庁「こどもデータ連携の取組の推進」
  3. 閣議決定「こども大綱(こども大綱の推進)」(令和5年12月22日)
  4. 閣議決定「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(令和3年12月24日、令和6年6月21日改定)
  5. 内閣府「令和3年度『貧困状態の子供の支援のための教育・福祉等データ連携・活用に向けた調査研究』報告書」(令和4年4月7日)
  6. デジタル庁「こどもに関する各種データの連携による支援実証事業」(令和4年6月17日)
  7. 内閣府・内閣官房こども家庭庁設立準備室「こどもデータ連携実証団体(令和5年度実証開始団体)公募要領」(令和5年1月27日)
  8. こども家庭庁「『こどもデータ連携ガイドライン(素案)』に対する御意見募集(パブリック・コメント)について」(令和6年5月1日)